私が開院した理由 詳細編
私が開院した理由 詳細編
私は約20年間にわたり、腰痛に苦しむ一人の患者として、実に多くの治療遍歴を重ねてきました。
その流れから、やがて整体院を開院するに至ったことは『私が開院した理由』に述べましたが、
より詳細なエピソードをここに書き記しておきたいと思います。
かなり長いのでお時間のある方だけで結構です。
よろしければお付き合いください。
16歳で原因不明の腰痛に
私は高校1年生頃から、なぜか腰に痛みを感じるようになり、どこかで診てもらおうということになりました。
何が原因で腰が痛いのか、どこへ行けば適切な治療が受けられるのか、親も私もまったくわかりません。
それでも近所の病院や整骨院に行けば、そのうち治るだろうと安易に考えていました。
今にして思えば、日常生活に大きな支障はないし、痛みもそこまで辛いというほどでもなかったので、そのまま放っておけばよかったのですが…。
そうすればいつか自然に治ったかもしれないのに、身体の不調を処置するのは早ければ早いほど良い、悪化する前に病院に行った方が結果的に早く治るだろうという誤った考えのもと、私の治療院めぐりの長き旅路がスタートました。
腰痛を治せない整形外科・整骨院
まず最初に行った整形外科では、レントゲンやMRI検査を受け、
「特に異常はないから心配いらない」と
喜んでいいのか、悲しむべきなのか、微妙な診察結果を言われ、
じゃあ結局、何で腰が痛いのか?
どうすれば治るのか?
答えがないまま、湿布だけ出され帰ってきました。
その後も何度か通って、出された湿布を貼りますが、当然治りはしません。
整形外科では無理とあきらめて、次に家の近所にあった整骨院に行きました。
毎日のように通いましたが、まったく治る気配が感じられません。
治療内容というと、ベッドにうつ伏せに寝かされて、15分ほど腰に電気を当てるだけ。
ただそれだけで終わりです。
いつでも何回行っても。
これっぽっちも痛みが和らいだ感じがしません。
さらに、そこの先生にもしっかり治してやろうという意気込みも感じられず、しばらくして行くのをやめました。
そして生活圏内にたくさんあった
「整骨院・接骨院・ほねつぎ」の看板を見ては、順に通い始めるようになりました。
しかし結局どこも似たようなもので、腰に電気を当てるばっかりで、やってることはほぼ同じ。
ぜんぜん治る気配がありません。
患者一人ひとりに向き合って、問診や検査、カウンセリングを行う所は1件も見当たらず、
本当に治す気あるの? という所ばかりでした。
そもそも会話自体がほぼありません。
しゃべるのは電気治療器のスイッチを入れる時、電気の強さ加減を
「どう?強い?弱い?こんなもんでええかな?」
と聞きながらスイッチを入れて、すぐにどこかへ消えてゆき、
時間が来たら装置を外しに来て「ハイ終わりましたよ」って。。。
それ以外の会話はほぼありません。
それでも良い治療院が見つかるまで、あきらめず探し続けるつもりで、転々と治療院めぐりを繰り返していました。
治療費も健康保険適用で、1回数百円と負担が小さかったので、足かけ2年ぐらい、あちらこちらに通いました。
それでも腰の痛みは全然変わっていませんでした。
私も今こうして治療院業界に身を置くようになってからわかったのですが、
私がたまたま行った整骨院のほとんどが、患者を治すことなど真剣に考えておらず、継続的に通わせて保険点数を稼ぐという、お金儲け主義が当たり前の感覚だったのです。
慢性腰痛を健康保険で治療するのは違法であり、不正請求に該当するにも関わらず、私が通った「整骨院・接骨院・ほねつぎ」の、ほぼ全てがそうしていました。
当時の整骨院業界は
「医は仁術なり」ではなく「医は算術なり」が当たり前の感覚だったのです。
そんなこととは、つゆとも知らず、私はせっせせっせと整骨院の儲けに協力しに通っていたのでした。
盲目の鍼灸師
しばらくして親の知人から、鍼灸師で腕の良い先生がいると聞き、自宅からは結構遠かったのですが、電車に乗って行ってみました。
保険が効かず1回4千円の治療費の負担は大きいなと思いつつも、
そこの先生は、全盲の鍼灸師で、
「目が見えないのに鍼が打てるなんてすごい先生だ!相当やり手のはず!」
と期待に胸をふくらませて、熱心に通いました。
しかし通えども通えども、一向に痛みは変わりません。
結局、当初の大きな期待は裏切られ、ここでも治りませんでした。
指圧マッサージ系整体院とアルバイトの日々
その次に、また口コミを聞き、指圧マッサージ系の整体院に行ってみました。
入ると患者さんがいっぱいいて、とても流行っているように見えました。
予約制ではないので行くといつも待たされ、その間は他の患者さんの治療光景が丸見えです。
腰のあたりを強くグイグイ押したり、もんだりしています。
多くの患者さんは、そのイタ気持ちいいのが好きみたいで、
「痛いくらい指圧してもらう方がよう効くねん。弱いのはあかん」
とか言いながらご満悦のようです。
まだ高校生だった当時の私に、
『強く押す指圧マッサージは身体に悪い』という知識など、持ちあわせているはずもなく、
「これだけ繁盛しているなら、きっと治るはず」と思い、保険がきかず1回6千円という治療費は大きな負担でしたが、信じて通い始めることにしました。
しかし継続的に通うには、お金の問題がありました。
当時私が通っていた高校の授業料も、市の免除制度を適用してもらうほど経済的余裕のなかった我が家において、
これからも定期的に、保険の効かない治療院に通うのは親に大きな負担を掛けて申し訳ないと思い、治療費を捻出するため、学校が終わったあと毎日喫茶店でアルバイトを始めました。
そこまでしてでも、まじめに通えば治ると信じていました。
しかし残念ながら、結局ここでも良くなることはありませんでした。
そして後に知るのですが、ここへ通っていた患者の改善率は決して高くはなく、みんなただ、イタ気持よく指圧されたいがためにずっと通っていただけなのです。。。
治療院めぐりを繰り返し、悪化した腰痛
口コミで教えてもらった指圧マッサージでも治らず、どうしたものかと思案していたある日、腰の痛みの度合いが以前よりも強くなっていることに気付きました。
治る気配がないどころか、運動スポーツをしたあとの腰の痛み具合や腰を後ろに反った時の痛さなど、治療院めぐりを始める前よりも明らかに状態が悪くなっている事に気付き愕然としました。
多くの時間と金銭的負担を費やしたその結果がこれかと。。。
そう思うと、なんとも悲しくて自分の人生がとても虚しく感じ始めるようになってきました。
人生最大の治療院通い
やがて高校を卒業し就職することになりました。
もうこの頃の私は、どこに行ったら本当にこの腰痛を治してくれるのか真剣に悩んでいました。
人に相談しても良い答えは得られず、こうなったらしばらくの間は安易に治療院へ行くのはやめよう、しっかり情報収集して自分なりに勉強してみようと、本屋や図書館に行ってその類の本を手当たりしだい読んで勉強を始めました。
それから数年後、たまたま本屋さんで腰痛治療の本を見つけ、他にも多数の著書を出版されているその先生の治療院が、家から通えるエリア内にあると知りました。
これだけ多数の著書を出している先生の治療院だったら、きっと治してくれるだろうと希望を抱き、治療院通いを再開することにしました。
この治療院は、仙腸関節の歪みが万病の元だと唱える、指圧マッサージを併用したカイロプラクティック系の治療院でした。
また、腰にゴムチューブを巻いて回せば、腰痛が治るとも言っていました。
ここは他とは違い、1日の営業時間が短いうえに、多数の著書を出されている名前の売れている先生の治療院だけあって、開院1〜2時間前からものすごい数の人が並んでいました。
またこれだけ混雑するにも関わらず予約制を採用しておらず、営業が始まってから受付をしているようでは2時間待ちなどザラでした。
長く待たされて、ようやく順番がまわってきそうだと思っても、それがお昼休憩の時間に重なると、先生はそそくさと休憩に行かれ、そこからさらにまた1時間も余分に待たされました。
1回の治療を受け終わるのに、9時過ぎに受付して帰れるのが早い時で12時頃、遅い時など14時〜15時頃になるという、とんでもなく心も体も疲れる治療院でした。
その日1日がここで施術を受けるために費やされるという感じですから、忙しい社会人にとって、とてつもなく通院の負担が大きい治療院でした。
時間的負担だけでなく、保険の効かない実費診療なので1回5千円かかります。
たくさん通うと金銭的負担も大きいのです。
さらにまた先生が無愛想で、患者との会話は皆無です。
順番が回ってきたら横に寝かされ、院長先生の毎回決まりきった、マニュアル通りの骨格矯正施術を2〜3分と、お弟子さんの指圧マッサージを10分ほど受けて終わりです。
いつでも誰にでも、毎回やることは同じで、黙々と型通りの決まったことしか行いません。
過去に通ってきた多くの治療院と同じく、一人ひとりの身体を問診検査し、何が原因で痛みや症状が出ているのかといったことを、確かめたりなどまったくしていません。
整体師となった今の私に言わせれば、ありえない話です。
しかし当時の私を含め患者さんたちは、そんなことにこれっぽちも疑問を抱くことはありませんでした。
素人にはそのやり方が正しいかどうかの判断は出来ないわけです…。
それでも他に多くの患者さんが、並んでまで通っているのを見て、
「きっと価値のある治療院なんだ、少々のことは我慢しよう」
と自分に言い聞かせ、自分の腰痛はここで治ると信じてめげずに通い続けました。
ところが通えど通えど、ほんのわずかに痛みはマシになっていますが
治ったと言えるレベルにはほど遠い状態です。
40回くらい通ったある日、マッサージしてくれているお弟子さんにその事を相談すると、
「過去どんな重症の人でも100回通って治らなかった人はいない、100回通えばたいがい治るから」と言われ、
そうか、じゃあその言葉を信じて100回通ってみようと思った私は、ものすごく純粋というか、お人好しというか、バカというか…。
1回5千円という治療費で40回ですから、すでに20万円も使って
ほんのわずか程度しか痛みは取れてないのに、そこからさらに30万円の治療費を使って、あと60回も通う決意が出来たのは、
過去どこに行ってもわずかでもマシになったことは1度もなかったのに、ここで初めてほんのわずかでもマシになったので、やはりここは他とは違うのではないか?
あきらめずに通い続ければ、治るのではないかと思ったからでした。
普通の人なら見切りをつけて、そこまで通わないと思いますが…(汗)
結局、律儀に100回ちょうど通ったのでした。
少しは腰が楽になったぶん、過去1度も痛みが和らぐことがなかった他の全ての治療院と比べ”マシ”と言えるかもしれません。
でも100回も通って、総額50万円も払って腰痛が治らないなんて…。
ここに来るたび、ほぼ半日以上がつぶれ、毎回何時間も待たされ、それがストレスと感じつつも、我慢して通ってこのありさまかと、もうやりきれない思いでいっぱいでした。
でも責任はすべて自分にあります。
まともな人なら100回も通う前に、治りそうか治らなさそうか判断出来るでしょう。
しかし当時の私にはその判断が出来ませんでした。
本屋さんに著書が多数平積みされており、他の多くの患者さんが自分と同じように熱心に通い続けている姿を見て、ここならいつかきっと治してくれると盲信してしまったわけです。
結局100回プラス1回で、そこへ通うのはやめることにしました。
私の人生で最も莫大な時間と労力とお金を使った治療院通いでした。
低レベルな治療院に翻弄される日々
100回通いで身も心もお財布も疲れ果てた私は、しばらくまた治療院に行くことをいったん中断して、だましだまし痛みと付き合っていくことにしました。
やがて時代は、パソコンを使うことが当たり前の世の中となり、さまざまな情報をインターネットで簡単に調べられる便利な時代となりました。
私はこれを機にネットを使って、腰痛を治してくれる治療院はないかと
再び探し始めました。
どのホームページも自信満々に「大丈夫です」と書いてあります。
半信半疑ながらも、一応行って治療を受けてみるという生活が再開しました。
保険がきく病院や整骨院では腰痛は絶対に治らないと確信していた私は、
実費診療でたとえ1回5千円、1万円でも構わないと思い、整体院や鍼灸院、カイロプラクティク、気功治療院など、健康保険のきかないさまざまな実費治療院に通いました。
たとえ通うのに数時間かかる遠いところでも、良さそうな所があれば一縷の望みを託して行ってみました。
行ってみたら案の定、大した技術もないのにホームページ上で、いかにも高い改善率を誇る云々などと、誇大に宣伝している所が実に多いことを痛感しました。
まじめに真摯に取り組んでいる治療家も大勢いるのでしょうが、今やコンビニの数より多いといわれる整体マッサージや治療院業界。
本物と出会う前に偽物をつかまされる確率のなんと高いことかを知り、憤りと悲観を繰り返すのでした。
ついに知った痛みの本当の原因
多くの時間と労力とお金を費やして通ったにも関わらず、低レベルな治療院に翻弄されるばかりで治る兆しが見られず、またさらに独学で腰痛の研究を始めました。
自分で出来るストレッチや体操なども、さまざまやってみましたが、なかなか改善される気配はありません。
そんなある日、書店でたまたま手にとった1冊の本が、その後の私に多大なる影響を与えることになるのでした。
その本には
「身体の痛みは、自分の脳がそういう指令を出して起こしている。
なぜ脳がそんなことをするのかというと、自分自身の中に継続的に抑圧されたストレスや負の感情が蓄積し脳がそれを苦痛に感じる。
身体に痛みを出すことによって痛みに意識を向けさせ、ストレスや負の感情から脳が感じる苦痛をまぎらわそうとしている」
という理論が書かれてありました。
一般の人がこんなことを聞いても信じがたい、突拍子もない理論かもしれません。
しかし私は、腰の痛みが気になりだした時期からさかのぼって数年間、『抑圧された強いマイナス感情』を持って生きていたので、その理論がストンと腑に落ち、
「なるほど、そうだったのか!この腰痛の原因は脳の仕業なのか!」
と真理を得た感動を覚え、そこからさらに、脳が身体に与える影響を勉強し始めました。
本を読みセミナーなどに出席しているうちに、身体と脳、心や感情と身体の関係が実に深いものであるということをさらに理解していきました。
そしてこの時期に学んだ
『身体だけを見ていたら治らない人が多い
脳も同時に変えていかなければいけない』
という治癒理論は、当院の整体手法に活かされることになります。
麻酔注射で脳からの痛み指令を止められるか?
『脳が痛みを出している』この真実を知り、自分の腑に落とすだけで、
長年の腰痛患者の痛みが、簡単に消えてなくなるという現象が普通に起こりえる事実を知りました。
しかし残念ながら私の腰痛は、理屈を腑に落としてもまったく消えません。
さらに情報収集し、脳からの痛み伝達命令を麻酔注射を利用して改善させる、トリガーポイント注射という治療方法があることを知り試してみることにしました。
トリガーポイント注射を受けられる整形外科を見つけ、継続的に通ってみました。
ところが、打てども打てども痛みがとれる気配がありません。
そのうちそこの先生が
「トリガーポイント注射だけでは厳しそうなので、脳の伝達系統を改善させる薬を出しますから飲んで下さい」と言われ、指示通り服用することにしました。
しかし、この薬を飲むと強烈な吐き気を催し、飲んでは吐き、飲んでは吐きの繰り返しで、いい加減辛くなってきました。
気になって、ネットでこの薬のことを調べてみると、
『鬱病の患者に処方される精神薬』であることがわかりました。
なんと、鬱の人はこんなきつい薬を飲まされているのか!
鬱の人の大変さを知ると同時に、私にこんな薬を飲ませて腰痛を治そうとするその医師の方針についていけず、それ以降行くのをやめました。
「やっぱり整形外科はダメだ。腰痛を治す知識も技術も持ってない。」
これまでの経験でわかっていたはずなのに『トリガーポイント注射』という、脳からのアプローチ手法に期待を膨らませて行ったのが失敗でした。
今回もまた見事に期待を裏切られました。
また他を探そうとしていたある日、たまたま自宅でとっていた新聞に大きな特集記事として、1件のペインクリニックが紹介されていました。
『ブロック注射で肩こり・腰痛を治す名医』と紹介されており、その記事を信じて行ってみることにしました。
トリガーポイント注射とブロック注射の違いはよくわかりませんでしたが、実際はアプローチする理論が違うようなので、
整形外科でのトリガーポイント注射が効かなかったのだから、今回もまた無理だろう、などとは思いませんでした。
そもそも新聞記事に特集されるほどの名医なんだから、
今度こそ私の腰痛を治してくれるに違いないと期待し通うことにしました。
しかしここでもまた、打てども打てども治る気配が見られず、やがて断念することになるのでした。
麻酔注射による脳と痛みの関係を改善するという手法は、理屈からしていかにも効きそうだと期待しましたが、実際の改善率はそこまで高くないということを知りました。
私はさらに、脳と痛みの関係を改善させる治療院がないかネットや本で探し続けました。
そこで、ある治療家育成学校の技術理論に
「脳からのアプローチで、高い改善率を誇る整体技術云々」
と書いてあるホームページを見つけたのでした。
ようやく出会った本物の整体法
長きに渡って多くの治療院に、翻弄され続けてきた私ですが
今度ばかりは直感的に、これは本物だという気がしました。
その学校のホームページを隅から隅まで読み漁り、
またその学校の卒業生が開院している、整体院のホームページも読みました。
そこには、全国に身体の痛み苦しみで困っている人が、星の数ほどいるのに
ちゃんと痛みが取れる、本物の技術を提供している治療院が少なすぎる
ことを憂い、
『患者さんの辛い症状をきっちりと治せる、本物の治療家を育成するカリキュラム』が開講されていました。
私はとにかく、この腰痛を治してくれればそれでいいんだ、と思いつつも
「本物の技術を提供している治療院が少なすぎることを憂い、本物の治療家を育成する」
という言葉が、頭の片隅に残り離れませんでした。
なぜならこれまで、自分自身がそのことを実際に経験し、痛切に味わってきたことと、同じことを言っているからです。
なぜか私は、ここへ行かねばならないような気がして、
とりあえず施術の予約を入れ、受けに行くことにしました。
実際に初めて受けたその整体は、何をされているのかさっぱりわからない、これまで受けてきたどの治療法にもない不思議なやり方でした。
しかし施術が終わった直後の身体の軽いこと。
たった1回の施術でここまで身体が楽になったことは過去経験がありません。
ここならきっとこの腰痛も治るに違いないと思い、続けて通ってみました。
すると施術を受けるごとに、過去どこの治療院でも味わったことのない身体の軽さ、楽さを体感しました。
すごい!本物だ!
私は一人の患者として施術を受けると同時に、一見まともに治療をしてるようには見えない、この整体でなんでここまで身体が変わるのか詳しく理論を知りたくなり、情報収集してさまざま調べました。
知っていくうちに、このまま一人の患者として通い続けこの腰痛を治すのもいいけど、ここでプロの治せる技術を教わり自分で自分の身体を治すという方法もあるのではないか?
その技術があれば、自分の身の回りにもたくさんいる、腰が痛い、肩が痛い、膝が痛い、という人たちを私が治してあげられるのではないか?
さまざまな思いが交錯しながら、講座について詳しくお話しを伺ってみました。
治療家育成講座入門
私は先生から詳しくお話しを聞いてるうちに、本気で受講したいと思い始めるようになってきました。
自分で自分の身体をケア出来る。
家族や友人など、身の回りの身体が痛くて困っている人に、整体をやって治してあげられる。
それもある。それもいい。
しかしそれ以上に、世の中には私のようにどこに行っても治らなくて、辛くて困っている人が星の数ほどいるだろう
あるいは、治す技術を持っていないデタラメな治療院、本気で治す気のない、金儲けしか考えていない整骨院に泣かされている人もたくさんいるだろう。
私自身がかつて味わってきた、時には涙するほどの肉体的苦痛・精神的苦痛・金銭的苦痛・多大なる時間と労力の浪費など、
私と同じようにこれらの苦痛にあえぎ、苦しんでいる人達を助けてあげられるのではないか?
そんな想いが湧き上がってきました。
しかし当時私が勤めていた会社は、バブル崩壊以降のどん底の不況にも影響を受けない業績好調な会社。
私自身も会社に大きな不満もなく仕事は順調で、このまま定年まで勤め続けても何の問題もない状況でした。
そんな状況を考慮すると、家族を養うべき立場の私がいくら整体の仕事をしたいと言っても、当然、皆が納得するはずもなく、すったもんだのやりとりがありました。
何度も家族会議を重ね、最後まで賛成意見は出ませんでしたが、もはや私の決意は相当強くなっており、
ありがたいことに?
「1回言い出したら、なんぼ言うても聞かんわ」
と妻も私の性格をよく理解してくれているので、なんとか講座を受講出来ることになりました。
ひたすら整体修行の日々
会社員を続けながら日々勉強に励み、休日はボランティア整体を行うなど、忙しい日々が何年も続きました。
会社員としての仕事では休日出勤がよくありましたから、休みといっても結局仕事に行ってるか、整体をしているかで休みらしい休みもない毎日。
当時幼かったわが子たちと遊んであげることもめったになく、整体の勉強と同時に、多くの人に施術を行い経験を積んでいくという日々が続きました。
やがてその努力も実り、さまざまな不調を持った人たちの体調が明らかに改善されているのを目の当たりにし、
今の自分ならプロとして充分やっていける、いやそれどころか、そこいらの治療院よりも良い結果を出せると、確固たる自信を持てるようになりました。
そして満を持して整体院開業に至るのでした。